| 1.TAIYO製品の歩み 自動車でモデルチェンジされた車に乗ると、前の型の欠点が解消されているのに気づくものです。 同様に、TAIYOの過去の製品をみると進歩の過程がよくわかります。 ここでは、その歴史を見てみましょう。 |
1.ジェットストーム 概要:2モータ−の出力制御により、飛行をする(旋回、上昇、下降) 長所:サーボを使用せず、ラジコン飛行機としては低価格実現。 短所:機体材質が発砲スチロールのため、衝撃に弱くすぐに破損する。 機体のスタイル、塗装ともかっこ悪い。 別に充電器を必要とする。 累計出荷機数:3000機 |
|
2.DASH−8 概要:2モータ−の出力制御により、飛行をする(旋回、上昇、下降) 長所:実機が現役機であり、また塗装もきれい。4バージョンあり。 短所:機体材質が発砲スチロールのため、衝撃に弱くすぐに破損する。 ジェットストーム譲りのかっこ悪い脚。 価格が定価で12800円とまだ高い 別に充電器を必要とする。 累計出荷機数:70000機 |
![]() |
3.月光 概要:2モータ−の出力制御により、飛行をする(旋回、上昇、下降) 初めて機体材料に衝撃に強いEPPを採用、DASH−8の 問題点を克服する。充電器を送信機と兼用させる。 長所:EPP機体、定価6980円と安価になる。 短所:2モータ−の出力制御では、曲がりずらい。また反応が遅い。 月光という機種はマイナーで塗装も地味。 強い頭上げの癖あり。 累計出荷機数:55000機 |
![]() |
4.ツインファルコン 概要:2モータ−の出力制御により、飛行をする(旋回、上昇、下降) ふたつのモーターの間の広くすることにより、旋回性能をあげる 長所:EPP機体、月光より塗装が派手になる、やや旋回性能があがる。 短所:2モータ−の出力制御では、まだ、曲がりずらく、また反応が遅い。 架空の機体のため、スケール機ファンには魅力なし。 塗装のデザインも悪い。 また、ふたつの離れたモーターはかっこ悪い。 累計出荷機数:25000機 |
![]() |
5.零戦 概要:1モータ−出力とラダー制御により飛行をする(旋回、上昇、下降) ラダーによる旋回で、2モーター機より曲がりやすく反応も早くなる。 長所:EPP機体、ラダーによる旋回。零戦という有名な機体。 スケール機ファンにもなっとくできるスタイル。 短所:上昇力と、飛行時間がいまいち。 累計出荷機数:60000機(内、明灰色12000機) |
|
|
6.ムスタング 概要:零戦に同じ、1モータ−出力とラダー制御で飛行をする (旋回、上昇、下降) 長所:? 短所:? 累計出荷機数:12000機 |
2.構成部品の秘密
優秀な飛行性能とスケール感ある機体、そして驚くべき低価格、
それら構成する部品ひとつひとつを見てみましょう。
【零戦編】
| 1.モーター 情報提供:輝くマシンさん 零戦の心臓は130クラスのモーターです。電源線には、コンデンサーとチョークコイルが接続されています。 ・コンデンサーとチョークコイルの役割 モーターからの高周波ノイズ(主に電源ラインにのる交流成分)は、ブラシとコミュテータの接点の開閉で極性が繰り返し反転することで発生します。 コンデンサは交流成分のみを通過させますので、モータ−の両端子間および端子−筐体間でショートさせることで高周波ノイズを除去します。 一方、チョークコイルは交流成分に対してインピーダンス(直流に対する抵抗のようなもの)となりますので、高周波ノイズが電源系へ流れるのを防いでいます。 いずれもモータ−への電源供給(直流)に影響を与えずに不要な高周波ノイズ(交流)を除去する極一般的な方法で、電動カーの黎明期(30年前?)からの古典的な手法です。 ・チョークコイルをはずすとどうなるのか? このコイルは、恐らくフェライトコアに数ターン巻いてあるだけですので、直流抵抗は僅かですが、インダクタンスによって交流成分に対して周波数に応じたインピーダンスが生じますから、モータから基板へ交流(特に高周波)成分が逆流するのを防いでいます。コイルを外すと僅かながらも直流抵抗が減り、電流が流れ易くなります。 ・補足 情報提供:くぼやん 正式型式 ダッシュ8:FK−130SH 零 戦 :FC−130SA? 確実ではないですが、FK130は12VまでOK、FC130は6VまでOKだと思います。 マブチのHPのこのモーターの仕様です。 http://www.mabuchi-motor.co.jp/cgi-bin/catalog/catalog.cgi?CAT_ID=fc_130rasa http://www.mabuchi-motor.co.jp/cgi-bin/catalog/catalog.cgi?CAT_ID=fk_130rhsh |
![]() 零戦のモーター:FC−130SA? |
![]() FC−130RA/SA |
|
![]() FK−130RH/SH |
|
2.ラダーサーボ(アクチュエータ?) 情報提供:輝くマシンさん ラダーのサーボですが、単に超小型モータを左右に回転させてギヤで減速後、リンケージロッドを動かすだけのようです。 つまり、このサーボ?にニュートラル点はありません。右一杯か左一杯の制御のみです。 では、何で直進出来るのかというと、ラダーヒンジの剛性でラダーが自然に中立点に戻るからなんです、なんというかコロンブスの卵的アイデアです。 これは、タイヨーさんお得意のバイクのステアリング機構にも似てます。 |
![]() |
3.受信基板 情報提供:くぼやんさん モーター出力のトランジスタは2SD2097(以下TR 印刷はD2097)定格が5Aです。ノーマルモーターとLIPOの組み合わせではこのTRが焼損しますので気をつけてください。 ノーマルの130モーターでは過電圧により異常に電流が流れるものと推測します。(モーターロック時の電流かもしれませんが)50XCモーターでは今のところ問題ありません。 50XCダイレクトで3020ペラ,7.2Vで1.7A程度ですから、LIPO初期電圧の8.4Vでも2A程度と思われますので定格内です。 4025,5030ペラでも飛ばしましたが問題ありませんでした。 3端子レギュレータの8003ですが、ネットの検索で全く引っ掛かりませんので定格電圧が不明です。しかし、実績からLIPOの7.4VはOKです。 ついでに、モーター電流も測定しました。(ノーマル送信機のフルパワー時) 50XCダイレクト仕様でLIPO700mAです。 ツインファルコンのノーマルペラ:3A(ピークでは4A) GWSの4025ペラ :4A GWSの5030ペラ :5A 以上から、5030は700mAでは危険ですね。 ・補足 情報提供:輝くマシンさん ヨシオカのNiMH7セル8.4V-300mAhではOKでした。バッテリーの方が結構熱くなりますけど...NiMHだと内部抵抗が高くて5Aも流れないんですかね |
![]() 画像をクリックすると大きくなります。 |
4.送信機 情報提供:くぼやんさん 充電電圧は電池からダイオードを介しているだけなので、電池電圧の約0.7V低い値です。 乾電池なら12−0.7で11.3Vになります。 充電電流ですが、アルカリ乾電池で約1A、ニッケル水素で約1.2Aです。 ニッケル水素の方が電圧が低いのに電流が流れるとは以外でした。 内部抵抗の差でしょうか?(電池には詳しくないのでよく判りません) 但し、パルス充電しています。 500ms(1秒の1/2)のサイクルで370msON,130msOFFの繰り返しですので、DCで考えるとニッケル水素で0.9A弱ということになります。 |
![]() 画像をクリックすると大きくなります。 |
・補足 情報提供:ぱーくふぁんさん マンガン、アルカリと、Ni-Cd、Ni-Mh等、一次電池、二次電池の特性 マンガンやアルカリ電池の特性は、使用時間の進行によりその出力電圧が徐々に現象して行きます。 公称電圧の1.5V近辺をかろうじて満足出来るアウトプットを得られるのは、トータル使用時間で言うと最初の1割にも満たないとも言われ、1.2Vラインに下がるまではライフタイムの2〜3割、で更に使えば使うほど電圧が下がって行きます。 それに対し、ニッカドやニッケル水素等は満充電時電圧初期値に約1割程度、公称を上回る電圧が出ますがトータルライフタイム中(一回の満充電から放電終了まで)、公称1.2Vが中盤8割の間フラットに持続します。 簡単に言えばマンガン、アルカリの1.5は時間的、定電圧部分がない為(容量減少時は低い電圧でフラットになるが)の初期(付近)電圧値、ニッカド・ニッケル水素等は初期と放電終了付近を除いた最も実用的、安定的に長い時間使用出来る中盤8割方の電圧を公称としているという、少々モノサシに違いが有るところからこの様になっております。 内部抵抗も低く流せる量も大きいので、絶対的パワーは後者に軍配が上がるという訳です。 |
|
5.ミッションボックス改良版 情報提供:Jiroさん、Rovinさん 最新のミッションボックスはシャフト付近にFRPらしき補強がされています。以前、後方へ外れて空回りしたことありますから、その対策でしょうか? ・補足 情報提供:にゃん吉 あるいは、空回りしてモーター焼く事故が多く起きたのかな、それとも、ギアが擦れて焼きついたのか?でも、これじゃスプリングの意味がなくなるのでは。 |
![]() 画像をクリックすると大きくなります。 |
6.クラッチ機構(クラッチベル、ラッチリング) 情報提供:ぷーちゃん 180モーターに換えて落として以来プロペラが空回りををするようになり、ピニオンギヤとスパーギヤの調整をしながらだましだまし飛ばしていましたが、墜落でとうとうプロペラがまともに回らなく無くなりました。事故調査(?)の結果原因が判明しましたので報告します。ミッション内にある部品の山が無くなっていました。180モーターではトルクが大きい分この辺に負担がくるようです。新品の部品に換えて推力も10g程度UP!皆さんも異音が出たらCHECKです。 ・補足1 情報提供:にゃん吉 この部分の障害は、ノーマルでもよく起こるらしいですよ(私は経験ありませんが)。着地した時、モーターが回りっぱなしだと、ここがダメになるみたいですね。でも、これは、プロペラが回らない時に、ここで空回りさせて、力を吸収するように、設計されてるんではないでしょうかね。 ・補足2 情報提供:ぱーくふぁんさん 写真中の部品両方で‘クラッチ’機構、あえて言うなら右側が‘クラッチベル’左側は‘ラッチリング’と言ったところではないでしょうか。(メーカー正式呼称ではない) 上述にご説明されております様に突発のプロペラ外力に対し、動力を断続するクラッチ機能なのですから。 飛行中、バッテリー完放電以前の墜落や不時着時、もしどうしてもこれらが削れてしょうがないと言う事であれば、両部品間の動力の伝導はラッチの山と谷の噬み合わせで確保されていて、面摩擦によってはいない訳ですから、この部分にグリスを塗布しても良いと考えます。 ただこの場合、オリジナルのミッション周りをそのまま使用してのモーター交換等による動力パワーの増強及び、プロペラサイズの推力増強傾向への変更(ダイヤ、ピッチのいずれか片方でも)には、飛行中のモーターON時の起動トルクにクラッチ機構が負ける為、動力伝導性能の観点からは、対応の限界が発生すると考えられます。 余談ですが、改造して飛ばすのも良いのですが、それでは他社の製品に既成のメカを搭載して遊ぶのとかわりは無くなってしまい、こう言ったメーカーオリジナルならではの優れた機構を上手く使ってやった上での性能アップに、私は興味が湧きますね。写真の二つの部品を見ただけで工夫のし甲斐がある様に見え、強化クラッチを構成する為のいくつか「手直し案」が浮かんできます。 |
クラッチ機構 右側:クラッチベル 左側:ラッチリング ![]() 画像をクリックすると大きくなります。 |
【ムスタング編】
1.新バッテリー 情報提供:Kタローさん ムスタングの新バッテリーは過充電保護機能付きです。 ノーマルバッテリーパックのセルをつかって7.2Vのをつくろうと注文し、さっき届いて見ると黒色のやつでした。MTSUKOさんが新しい黒いバッテリーは過充電防止機能付きになったようですとかいていたので・・・えーっ違う種類の電池つなぎたくないよーと思いつつ、黒色のバッテリーを変わったとこあるかなとながめているとありました。 電池のプラスとマイナスをつなげるとこがかなりもっこりしてました、長方形に。それってただのプラスとマイナスをつなげる金属じゃないの?と思ったんですが、その金属でもっこりしてる上にその大きなもっこりがありますんでどうやらそうじゃないみたい・・・となるとこれがいわゆる過充電防止機能っていうやつか。じゃあセルじたいは変わってなくてチップがついただけなんですよね? 右上の画像は青い(旧)のと比較したやつで2ミリくらいもっこりしてますでしょ。 右下の画像には、FLR260 41AHと書いてあります。 ・補足1 情報提供:310さん NEWバッテリーにはMPDチップが内蔵されてます。 このチップはいわゆる「温度ヒューズ」みたいなもので、バッテリーがある一定温度を越えると電流を遮断するようになってるみたいです。そして、ある程度温度が下がらないと復活しないとの事です。 充電直後等でバッテリーの温度が設定温度以上になってる時は、機体に取り付けても作動しない、という現象が起こる可能性があるとも書いてありました。 |
![]() |
![]() |
|
2.隠し錘(おもり) 情報提供:初心者零さん、SINさん 零戦は、尾部に2gの隠し錘がありましたが、 ムスタングには、機首にどっしりと錘があります。約4g程度か。 下部カウルの不自然なスチロールを外してみると錘が4本あります。 改造の際は、軽量化の為に、取り除いた方がいいでしょう。 |
|
![]() |
【月光編】
![]()
3.飛行性能を探る
開戦初頭、抜群の飛行性能で、敵を圧倒した零戦。
さて、このTAIYO零戦の飛行性能はどんなもんでしょうか、数値化して見てみましょう。
| 1.最高速度 情報提供:むっちゃん 最高速度求めるには、レーダー速度計で計測すればいいのですが、そんないいものはありません。 そこで、机上計算で求めてみます。 計算要素 ・プロペラピッチ:ピッチはプロペラが1回転した時、進む距離です。 ・プロペラ回転数:1分間の回転数です。 ・上空での回転数UP率:上空に上がると、空気が流れるので、回転数が5%ほど上がります。 ・空気のすべり率:プロペラが空気中を回転しながら進む時、空気のすべりがあるので ピッチ×回転数通りの距離は進みません。実際はその距離の80%ぐらいです。 【最高速度の計算式】 ピッチ×回転数×105%×80%X60(min)=最高速度(km/h) よって求める最高速度は以下のようになります。
・15Cmと18Cmのプロペラピッチは推定です。 |
||||||||||||||||||||||||
2.航続距離 情報提供:むっちゃん 最高速度がわかれば、航続距離は簡単に求められます。 もちろん、机上の計算で、実際にはバッテリーの電圧降下等あり、このようにはなりません。
・飛行時間はモーター全開時です。 ・スーパー零戦の飛行時間は推定です。 |
||||||||||||||||||||||||
3.実機との比較 情報提供:むっちゃん 実機が全翼12mに対して、この零戦は52Cmです。ここでは、各数値を23倍してスケール数値として、無理やり比較してみましょう。
・零戦の箱に書いてある最高速度、航続距離は52型のものです。 こうやって見ると、スケール速度は改造やスーパーは超高速零戦となります。航続距離は比べものになりませんね。 それでも、この改造零戦、スーパー零戦の10km近い航続距離はすごいものがあります。
|
||||||||||||||||||||||||
4.上昇限度 情報提供:むっちゃん 零戦の上昇限度を求めます。 先日、画像掲示板にて、ZeroTakaさんより以下のご報告がありました。 【ご報告内容】 本日はいつもの飛行場(?)が草ゴルフおじさんの奇襲により、撤退を余儀なくされてしまったので気分転換でドライブを兼ねて地元の観光名所の八幡平(海抜1000m以上)まで足を伸ばしてみました。途中飛行にうってつけの場所を見つけ、こんな感じで飛ばしてまいりました。ただ、本日は機体の調整不足か、バッテリーに問題があったのか思うように高度が取れませんでした。(久しぶりの飛行だったので単純に手投げに問題があったかもしれません。 【現象の説明】 空気密度が飛行に影響しています。 空気密度(大気密度)は、300m上がるにつれ、約3%減少します。 ZeroTakaさんの飛ばされた八幡平が海抜1200mとすると海抜0mより、空気密度は、12%減少することになります。 この空気密度は主翼の揚力と、プロペラ推力に影響を及ぼします。 そこでこの高度で、飛行可能か計算してみましょう。 ノーマル零戦の重量は114gです。揚力はかろうじて上昇する程度なので、135gと仮定しましょう。 そうすると、海抜1200mでは、135g×0.88(揚力の低下率)×0.88(推力の低下率)=約104gとなります。 揚力から重量を引いた余剰揚力は、104g-114g=−10gとなります。 余剰揚力−10gでは、零戦は飛びません。 【上昇限度】 上昇限度は、重量(114g)=揚力になる高度です。 それを逆算で求めると、零戦の上昇限度は海抜800mとなります。 |
||||||||||||||||||||||||
![]() 岩手県八幡平にて、高高度飛行にのぞむZeroTaka機 |
![]()
4.誰の機体?
零戦の垂直尾翼のかかれた、253−102とX−103は、
いったいどこの部隊の誰の機体なのでしょう。
きっと有名な撃墜王にちがいありません。
| 253−102 情報提供:ZeroTakaさん これは昭和十九年初頭ラバウル・トベラ基地に展開していた第253航空隊の機体で、日本のトップエース岩本徹三中尉(当時飛曹長?)が、搭乗していたと言われております。 (但し塗装の考証はおそらく正しくありません。最近のプラモデルの考証からいけば、機番は53−102であり、日の丸の白ふちも暗緑色で塗りつぶされていたと思われます。) 岩本中尉は、自らを「虎徹」と名乗る程の空戦の達人でした。 |
本来はこういう感じです。(作図:にゃん吉) |
X−183 情報提供:ZeroTakaさん この機は開戦劈頭フイリッピンから蘭印の航空戦に従事し、台南空と並んで最強の戦闘機隊であった第三航空隊の機体で10機撃墜のエース橋口嘉郎飛曹長(当時二空曹)が搭乗しておりました。 |
本来はこういう感じです。(作図:にゃん吉) |
472258 Big Beautifull Doll この機は、胴体側面に日本機6、ドイツ機31の撃墜スコアを記した、米空軍のエース、第78戦闘航空群司令 ジョン D. ランダーズ大佐の搭乗機「WZ-I」です。 |
![]() |
ヨD−187 この機は、第302航空隊 第2飛行隊所属機(ヨD-187)、遠藤幸男大尉・西尾上飛曹の搭乗機です。 (神奈川県厚木基地/1945年1月) |
| 画像準備中 |
![]()
5.ばねの選定
零戦のプロペラシャフトには衝撃吸収のために、ばねが取り付けてあります。
しかし、どうも最適なものではないようです。ここでは、最適のばねを計算で求めてみましょう。
| ばねの選定 情報提供:むっちゃん 零戦はプロペラシャフトに圧縮ばね(スプリング)がついています。これは、墜落時の衝撃を吸収するものです。 しかし、押してみると、ずいぶん硬いような気がします。また伸縮のストロークも、小さすぎるようです。 全体の長さも9.5mmのスペースに対して、6mmと短すぎます。 これは、プロペラが押された時、ギアが外れて、ギア欠けを防ぐように設計したのでしょうか、現状では機能してませんが。 さて、ノーマルのばねの仕様を、手でばねをはかりに押し当てる方法でで調べてみました。 その結果、自由長さ6mmで、動作長さ5mmです。荷重1-2kgで1mm程、縮みます。 これでは、十分な衝撃吸収にならないようです。そこで、最適なばねを計算で求めてみましょう。 【手順】 1.零戦墜落時の速度を求めます。 2.零戦墜落時の速度と重量で力積(衝撃力)を求めます。 3.力積を荷重として、最適なばねを求め、ばね作成用の要目表を作ります。 1.零戦墜落時の速度を求めます。 水平飛行時の最高速度はすでに求めていますので、今回は垂直降下時の最高速度を求めます。 垂直降下時は単純な落下加速度で求めるのではなく、ここでは機体の空気抵抗とプロペラによる抵抗がその最高速度になるものとみなして、おおざっぱに計算します。 計算要素 ・プロペラピッチ:ピッチはプロペラが1回転した時、進む距離です。 ・プロペラ回転数:1分間の回転数です。 ・上空での回転数UP率:上空に上がると、空気が流れるので、回転数が5%ほど上がります。 ・落下加速度と機体とプロペラの抵抗:これは独断でおおざっぱに120%ぐらいとします。 【垂直降下時の最高速度の計算式】 ピッチ×回転数×105%×120%X60(min)=最高速度(km/h)
2.零戦墜落時の速度と重量で運動量(衝撃力)を求めます。 運動量は、物体の重さと、物体に与えられた速度で求められます。 【運動量の計算式】 重量 (g) * 速度(m/s) = 運動量 (g * m/sec)
以上のことから、コンクリート等衝撃を吸収しないものの上に、垂直に全開で墜落した時の運動量は、 ノーマル機で、904gとなります。改造零戦の場合は2142gです。 また、スピナーで、少し衝撃を吸収しますが、今回は考慮していません。 3.最適なばねを求め、ばね作成用の要目表を作ります。 情報提供:マルヤさん 運動量保存の法則の mv1+Ft=mv2より、 v1方向を正として物体が垂直に地面に衝突し、その後跳ね返らなかったと仮定すれば、 mv1+Ft=0となり、 すなわち mv1=-Ftとなる。 すなわち、tが大きくなれば、Fが小さくなり、衝撃がやわらげられる。 よって、ばね選定のポイントは、ストローク量がなるべく大きく、最大速度で衝突したときに、ストローク量をギリギリいっぱいまで使いきれるものが、望ましいことが分かる。 そこで最大ストローク量をL[m]とし、衝突時の最大の速さをv[m/s]、零戦の質量をm[kg]とすれば、衝突の前後で、運動エネルギーが、すべてバネの弾性力による位置エネルギーに変わったと仮定して、エネルギー保存の法則を用いて式をたてると これを変形して 最大ストローク量Lを決めれば、ばね定数k[kgw/m]が決まり、最大ストローク量に最も適したばね定数が決まる。 もし、ここで求めたばね定数kのようなバネがなければ、その値に最も近いkよりも大きなバネ定数のものを採用する。もし、小さい値のものを採用すれば、ばねの最大ストローク量を超えてしまい、衝撃を吸収できないと思います。 ------以下の項目は間違いがあり、ただ今、再計算中です。(04/3/16)------- 力積を荷重として、ばね選定用の専用プログラムに入力して、形状と作成のための要目表を作成します。 最適ばねの自由高さ(全長)は、ばねが入るスペースが9.5mmあるので、隙間 1mmをとり、8.5mmとし、 伸縮量(ストローク)は、3.5mmとします。動作高さは5.0mmとなります。
この結果、力積(衝撃力)は、ノーマル機で、0.6mmの伸縮量であったものが、3.5mmとなり、 5.83倍の距離で衝撃は吸収する事になります。 つまり、単位時間あたり衝撃が、5.83倍緩和され、機体が更に壊れにくくなります。
下記が、そのばねを作成するための要目表です。この表からばね屋さんに、ばねを作成してもらいます。 あるいは、同様の仕様の規格ばねを選定します。
ばね選定の説明は、とりあえず、こんなもんです。 次回は、改造零戦のばね選定を行います。結構専門的になってきましたが、趣味とはこんなもんでしょう。 つづく。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]()